今日も皆さまお疲れ様です、マルクです🦌
米国株に投資していると、毎月第一金曜日に発表される米国雇用統計が注目されることに気づく方も多いと思います。
この経済指標は、株価に大きな影響を与えるとされていますが、
実際には「良いデータだから株価が上がる」「悪いデータだから下がる」と単純にはいきません。
今回は、米国雇用統計と株価の関係について、わかりやすく解説していきます。
米国雇用統計とは何か📊
米国雇用統計は、米国労働省が発表する重要な経済指標で、以下のデータが含まれます:
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非農業部門雇用者数(NFP):どれだけ雇用が増減したかを示します。
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失業率:働きたいのに仕事がない人の割合。
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平均時給の伸び率:労働者の賃金がどの程度増加しているかを示します。
これらの指標は、米国経済の健全性や成長の勢いを測るうえで非常に重要です。
投資家や経済アナリストにとって、雇用統計は次の金融政策を予測するための鍵となります。
雇用統計と株価の関係🤔
雇用統計の影響は、一概に良い・悪いだけでは判断できません。
その理由は、経済状況や市場の期待値に大きく依存するためです。
ケース1:雇用統計が「良い」場合
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結果:雇用者数が増加し、失業率が低下、平均時給が上昇。
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株価の動き:
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プラス材料になる場合:
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経済が順調に成長しているとみなされ、企業の業績改善が期待される。
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小売や消費関連株に追い風。
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マイナス材料になる場合:
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経済が加熱しすぎると、**FRB(米連邦準備制度理事会)**が金利を引き上げる懸念が強まり、株価が下落する可能性。
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ケース2:雇用統計が「悪い」場合
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結果:雇用者数が減少し、失業率が上昇、平均時給が停滞。
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株価の動き:
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プラス材料になる場合:
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景気減速により、FRBが利下げを行う期待が高まり、株式市場にとって支えとなる。
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マイナス材料になる場合:
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景気後退が進むことで、企業業績の悪化や消費の落ち込みが懸念される。
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市場が注目する「期待値」とのギャップ📈
株価は、発表された「事実」よりも「期待値とのギャップ」に敏感に反応します。
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予想を上回るデータ:市場にポジティブサプライズを与え、株価が上昇する可能性。
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予想を下回るデータ:市場にネガティブサプライズを与え、株価が下落する可能性。
たとえば、事前の市場予測が非農業部門雇用者数+20万人だった場合、結果が+25万人ならポジティブな反応を引き起こしやすいです。しかし、予測が+30万人だった場合に+25万人となるとネガティブに捉えられる可能性があります。
実際の事例で学ぶ📋
事例1:2020年4月
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結果:パンデミック初期、非農業部門雇用者数が大幅減少で-2000万人を記録。
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株価の反応:
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経済対策への期待が高まり、S&P500はその後急速に回復。
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事例2:2021年8月
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結果:非農業部門雇用者数が予想の75万人増に対し、23万人増と大幅に下振れ。
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株価の反応:
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FRBの利上げが先送りされる期待が高まり、NASDAQが上昇。
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事例3:2022年3月
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結果:非農業部門雇用者数が予想を下回り、12万人増にとどまる。
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株価の反応:
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市場は景気減速を懸念しつつも、FRBの利上げペースが緩やかになる期待からダウ平均が小幅に上昇。
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事例4:2023年1月
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結果:雇用者数が予想を大幅に上回り、51.7万人増。
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株価の反応:
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強い労働市場が金利上昇を招く懸念で、S&P500が下落。
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事例5:2023年6月
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結果:平均時給が予想以上に増加、前年比+4.3%を記録。
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株価の反応:
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インフレ懸念が再燃し、金融セクターが下落。一方で消費者信頼感が高まり、小売株が上昇。
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事例6:2024年7月
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結果:失業率が予想外に低下し、3.4%と50年ぶりの低水準を記録。
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株価の反応:
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強い労働市場がFRBの追加利上げの可能性を示唆し、NASDAQが2%下落。一方で、エネルギー株は堅調な動きを見せた。
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投資家としての心得💡
雇用統計の結果は短期的に大きな値動きを引き起こしますが、以下のポイントを押さえておくことが重要です:
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短期トレーダーの場合:発表前後の動きに備えて、リスク管理を徹底することが大切です。ストップロスやポジション調整を活用しましょう。
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長期投資家の場合:短期的な市場の反応に振り回されず、経済全体のトレンドに注目します。雇用統計は長期投資の大きな指標にはなりにくいことを理解しましょう。
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情報収集:事前に予測データや専門家の見解を確認することで、市場の期待値を把握しやすくなります。
まとめ🎯
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雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)、失業率、平均時給の3つの要素で構成されます。
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市場の反応は、経済状況や期待値とのギャップに大きく依存します。
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投資家は、自分の投資スタイルに応じて、短期的なリスク管理や長期的なトレンド分析を行うことが重要です。
北米現地の投資家界隈では、統計前後で狙って売買をする専門投資家も実在します。
『雇用統計ギャンブル』という言葉が流行したほどらしいです。
それでは皆様、おやすみなさい。
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